【鍼×睾丸?の痛み】
鹿沼市の活法整体・鍼灸院、ますぶち治療院です。
今回は滅多にない、というか初めて診た症状のお話です。
鍼治療で初めて扱う症状
睾丸の痛みで市内の大きな病院はほとんど回った男性。
どこでも検査で異常は見つかりませんでした。
「原因不明」「気のせい」よって「治療できない」というパターンです。
もう病院では何もしてもらえない、と来院されました。
私も初めて診る症状です。
正直どうしよう?と思いましたが、包み隠さず「初めて扱う症状なので効果を保障できない」
とお話しして了解を得てチャレンジしました。
患者さんとお話をしながら状況を整理します。
・痛みはしばらく歩いていると感じてくる
・じっとしているときは大丈夫
・左右の差はない
ここから
・内臓からの痛みではない
・炎症の可能性は低い
・運動痛である
ことが推測されます。
ここからいくつか施術方法が浮かんできました。
1 近所に作用するツボを使ってみる
まずは患部に近い部位に対する施術方法でアプローチしてみます。
一つは「前立腺」もう一つは「痔」に対する施術です。
活法と整動鍼法で施術し、様子をみてもらいます。
(しばらく歩かないと痛みがでないため)
結果は変わらず。
場所は関係ないようです。
さらにくわしく尋ねると、同時に内股とアキレス腱も痛むとのこと。
患者さんも私も患部にばかり気をとられすぎて大切な情報を見落としていました。
2 動きを調整するツボを使ってみる
内股も同時に痛むとなれば、そちらからの影響が考えられます。
そこで整動鍼法の内股の動きに対するツボを使います。
これで変化が起きれば本当の症状は「運動時の内股の痛み」です。
次に来院されたとき、患者さんが真っ先に訴えたのは内股とアキレス腱の痛みでした。
これらも、より長い距離を歩いてから感じるようになりました。
肝心の睾丸の痛みを尋ねると、まだ少しあるけれど内股ほどではないとのこと。
真っ先に和らいでいることを考えると内股痛からの余波だったようです。
やはり問診は大切です(^o^)
これで治療の方向性が定まりました。
今後は内股とアキレス腱の動作痛を治療のターゲットすれば良いというです。
古典鍼灸の睾丸痛のツボは?
ちなみに鍼灸の古典にはちゃんと睾丸痛のツボが載っています。
大敦、中極、肩井、関元、照海などです。
ただしこれらは腫れた場合のツボです。
今回のようなケースに適合するかはわかりません。
「動作による痛み」に著効する整動鍼法のツボは古典には載っていないからです。

増渕 一成 (鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師)
栃木県鹿沼市出身
趣味は読書、熱帯魚、落語鑑賞。
活法研究会の提唱する碓井流活法(整体)と整動鍼法を施術の2柱としている。
活法研究会会員。
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